金網は用途に応じてさまざまな種類があります。
網目の規格メッシュ、代表的な金網の種類、主な製造メーカーの特徴などについて分かりやすく解説します。
金網は、金属の針金や線材を使って網の状態に織られた金属の製品です。比較的太い針金で網目の粗い金網は、フェンスとして敷地や住宅地の境界に設置したり、危険防止および安全確保のための仕切りなどによく用いられています。一方、網目の細かい金網では、家庭では茶こし、ざる、もち網などの調理用品に使われていたり、ふるいやかごなど身の回りの製品にも多数使われています。また、金網は、産業分野では製品を作る工程においても、ろ過やフィルターとしても使われ、世の中の至るところで用いられています。金網は、明治時代の初期より日本では急速に使われ始めて、それまで主に使われていた竹や布などの自然素材よりも耐久性や強度が高く、熱にも強いことが特徴で、非常に幅広い分野で普及してきました。金網には、網目の大きさをメッシュという単位で表す規格があります。メッシュは網目が1インチ=25.4ミリにいくつあるかを示し、10メッシュは1インチに10個の網目、100メッシュでは1インチに100個の網目があることを示します。
金網にはいろいろな加工が施されたものがあります。金属の線材の種類も鉄やステンレスなどが持ちられますが、金網自体にメッキを施したり、樹脂の被覆をコーティングしたりして耐久性や外観の品質を良くする加工がされた金網もあります。ここでは、代表的な金網の種類について解説します。
・織金網:平織、平畳織、綾織などさまざまな織り方があり、用途によっていくつかの種類に分類される。
・溶接金網:全接合部が溶接され高い強度と軽量なのが特徴でストレーナーによく用いられる。
・クリンプ網:もち網やバーベキューの網などで、波状の線材を編んだ金網。
・亀甲金網:鳥小屋などによく用いられ、その名の通り六角形に編んだ金網。
・菱形金網:菱形の網目で、線材が交差しないので目詰まりしにくく平らな表面が特徴。通称タフクリーン。
・パンチングメタル:線材ではなく金属板に穴あけ加工を施した網で、耐久性が高い。
金網の使用用途は非常に幅広いため、たくさんのメーカーによってさまざまな金網が開発されて来ました。そのため、製造メーカー各社では、得意な分野でオリジナリティが生かされた金網を製造しています。ここでは、主な金網メーカーとその特徴を紹介します。
・小岩金網株式会社:さまざまな種類の金網を扱い、主に建築、土木分野の製品が多いのが特徴です。
・太陽金網株式会社:コンピューターや医療用などのきめの細かいメッシュを数多く扱っています。
・関西金網株式会社:ワイヤーコンベア用や各種フィルターを中心に独自技術で事業を展開しています。
・辻和金網:京の伝統工芸である手作り金網細工の老舗。茶こし、水切り、焼網などを作っています。
・株式会社奥谷金網製作所:さまざまな金網を広く扱い、中でも最新のパンチングメタル技術が特徴です。